いまなぜ万年筆か?

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あなたは万年筆を持っていますか?
かつては進学や社会人デビューのお祝いの定番だった万年筆ですが、高い、手入れが大変というイメージもあり、あまり使っている人を見かけなくなりました。そもそもパソコンや携帯電話、スマートフォンの普及により、文字を手書きする機会自体が減っています。

そんな状況に危機感を持ったのか、様々なメーカーが、数百円から数千円で買える低価格の万年筆を次々に打ち出してきました。低価格品とあなどることなかれ、書くことが楽しいと思える万年筆が手頃な価格で手に入るようになったのです。

このサイトでは、5000円以下で購入できる万年筆をピックアップして紹介しています。万年筆で手書き生活を始めてみましょう。

万年筆の定義って?

日本工業規格(JIS)によれば、万年筆はおおよそ次のように定義されています。

「胴内に保有するインキがペンポイントを溶着したペン先に自動的に伝わる機構をもつ」ペン

このほかに、ペン先に使用すべき金属やさび止め耐久性なども品質の要件に定められています。

万年筆にこだわりのあるメーカーでは、「万年筆は筆圧をかけずにその自重だけで線が引けなければならない」と謳っています。書き味が滑らかでまるでペンに導かれるように線を引ける、というのはよい万年筆の条件の一つです。
また、名前に「万年」とあるように万年筆には半永久的な使用が想定されています。

このサイトで万年筆を紹介するにあたって、便宜的に以下の2点をピックアップの条件としました。

  • 「万年筆」といって多くのひとが思い浮かべる、以下のような形のペン先が付いている
  • 万年筆のペン先

    by Ralf Pfeifer / CC BY-SA 3.0

  • インクを入れ替えて繰り返し使える
    (低価格帯の商品では本体の耐久性の点から「万年」使えるというわけにはいきませんが、使い捨ての商品はピックアップから外しました)

万年筆の太さについて

万年筆は、同じ商品でも複数の線幅が用意されていることが少なくありません。
細い方から、「EF(極細字)」「F(細字)」「FM(中細字)」「M(中字)」「B(太字)」などと表現されます。一般的に、欧米の文字よりも日本の文字の方が画数が多いため、海外メーカーのペン先よりも日本メーカーのペン先の方が細くなります。おおよそですが、海外メーカーのFは、日本メーカーのFM~Mぐらいの印象です。

ペン先が太い方が、万年筆らしい強弱のついた線は引きやすいです。一方、手帳に書き込むような使い方をする場合には細いペン先を選んだ方が使いやすいでしょう。

万年筆のインクについて

万年筆用インクはすべて水性です。油性ではペン先が詰まってしまう、万年筆独特のさらさらとした書き味が損なわれてしまう、という問題があるからです。つまり、基本的に耐水性は期待できません(インクの種類や紙との相性にもよって差はあります) 万年筆で手紙を書くなんていうのは憧れのシチュエーションですが、封筒の宛名は耐水性のあるペンで書いた方が無難です。
また、万年筆のインクは紙の裏に抜けることがあります。気になる人は、実際に使う前に、使用予定の万年筆と紙の組み合わせで試し書きすることをおすすめします。

インクの補充の仕方にはカートリッジを使う方法と、コンバーター(吸入器)を使う場合があります。

カートリッジ式

インクカートリッジを付けるだけで使用可能になります。メーカーによってカートリッジの形状が異なるので、使用している万年筆に対応しているカートリッジか確かめて購入しましょう。

コンバーター(吸入器)式

コンバーターと呼ばれる器具を万年筆に装着し、ペン先をインク瓶に浸してインクを吸い上げます。万年筆によってはコンバーターに対応していないこともあるので、インク瓶を使いたい場合には、万年筆のパッケージなどを見てコンバーター対応かどうか確かめましょう。

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